時々刻々作業療法しましょう

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現場で使えるをもっとうに、作業療法士の引き出しを、時々書いています

作業療法士の自動車運転 番外編

一般的な自動車運転評価と言うと以下のイメージだと思う。f:id:ctorusholly:20190126195440p:plain

運転の希望がある方に対して神経生理学検査の後、実車訓練に移るわけだが、実車教習は教習所を使用して行う為、別途料金がかかる。殆どの場合、数回程で確認できる事が多いが、状況によっては躊躇される方もいる

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 また教習所によっては、改造車の持ち込み訓練が出来ない教習所もあるため車種(軽自動車、普通車、形、グレードなどなど)や感覚(ハンドルの重さ、大きさ、ペダルの踏み込み)など、教習車と本人の車を使用した評価で差が出てくる場合もある。

 番外編ではあるが、今回のケースは教習所では無く免許センターのコース開放を利用し評価・訓練した。

免許センターでは、限定的ではあるが一般コースの開放をしている日があるのはご存知だろうか。僕の地元の免許センターでは、第2.4土曜日に予約制ではあるが自由にコースが使え、尚且つ改造車の持ち込みも可能だった。

 

コース開放を使用する条件

1)年齢が18歳以上

2)自賠責・任意保険に加入している事

3)電話予約と車の持ち込み

 ※各免許センターによって条件は異なり、教官の同乗が必要な免許センターもある様子

 

コース開放を使用するメリット

1)金銭的な面

一般的に教習所を使用した実車教習の場合、60分あたり5000~6000円程度のコストがかかる場合が多い。免許センターのコース開放の場合は、予約のみで特別料金がかからない。

 

2)時間の制約を受けにくい

コース開放を使用した運転評価の場合、時間の制約を受けにくい場合が多い。僕も数回利用しているがよほど予約が混み合っていなければ半日いっぱい練習に集中する事が出来る。

 

3)教習所と同じ様に様々なコースが試せる

交差点や坂道、見通しの悪い道、駐車場など様々なコースを試す事が出来る。

 

4)運転する(であろう)車種・改造車の持ち込みなど可能

教習所によっては、保険の問題から教習車以外は運転できない場合がある。コース開放の場合は基本、車を持ち込んでの練習になる為、実際に運転する車で直接訓練が可能。

 

コース開放を使用するデメリット(注意点としては)

1)事故の問題

コース内で事故が発生した場合、一般道を運転した場合と異なる為、自動車事故として扱ってもらえるか車両保証の内容によって異なる

 

2)指導の問題

教官が指導する教習所とは異なり、運転自体の評価もセラピストが行う必要がある。危険の予測、運転の事前チェックなど含めると、ある程度熟知した経験が必要になる

 

3)セラピストの保証

指導にあたりセラピストの同乗が不可欠になってくる。外出での訓練の場合、医師の指示を得るだけでは根回しが不十分な場合がある。事故発生した場合やコースの備品を壊してしまった場合の対策として、予め同意書を作成し、責任の所在をはっきりさせた上で行う必要がある。

 

僕の場合も、職場の了承を得た上で、法人担当の弁護士に確認してもらい同意書を作成し関わった。

 

以上、番外編ではあるが免許センターのコース開放を利用した運転評価に関してまとめてみた。

一般的にコースの備品を壊してしまうほど心配なケースは、恐らく運転評価の対象に挙がる事は少なく、各種検査バッテリーで篩にかかる事が多い。お金をかけず車の持ち込みなどで家族の協力が得られるケースには番外編ではあるが免許センターでの評価も引き出しの一つとしてはいいのでは無いだろうか。