初めての訪問リハビリ 在宅患者訪問リハビリテーション管理指導料
訪問リハビリテーションを始めたばかりの方や、これから新たに事業所を立ち上げる予定の方が間違い易いのが、「訪問リハビリテーション=介護保険のサービス」と思い込む事ではないでしょうか。そこで今回は、医療保険で行く、在宅患者訪問リハビリテーション管理指導料について体験を基にまとめてみました。
在宅患者訪問リハビリテーション管理指導料とは
C006 在宅患者訪問リハビリテーション管理指導料
1.同一建物居住者以外の場合(訪問リハ在宅) 300点
2.同一建物居住者の場合(訪問リハ同一) 255点
在宅で療養を行っている患者であって通院が困難な者に対して、診療に基づき計画的な医学管理を継続して行い、かつ、当該診療を行った医療機関の理学療法士、作業療法士または言語聴覚士を訪問させて、基本的動作能力もしくは応能的動作能力または社会的適応能力の回復を図るための訓練などについて必要な指導を行わせた場合に、患者一人につき週6単位に限り算定できます。
ただし、退院の日から起算して3月以内の患者については、週12単位まで算定できます。
つまり、自分の病院で、往診を行っている患者さんに対して、医師の指示の基、理学療法士等が訪問し、基本動作能力や応用動作能力または、社会的適応能力の回復を図る訓練や指導をした際算定可能となります。
上限
基本 6単位(2時間)/週
退院後3ヵ月以内 12単位(4時間)/週
他の算定できる加算などは?
在宅患者訪問リハビリテーションを算定する以外、他の加算はつきません
介護保険の認定を受けている方は算定可能か?
算定できません。介護保険の該当の方は、介護保険優先となる為、在宅患者訪問リハビリテーション管理指導料の算定はできません。
ただし、急性増悪等によりバーセル指数またはFIMが5点以上悪化し、一時的に頻回の訪問リハを行う旨の指示を行った際は、6月に1回に限り、その診療の日から14日までの間、1日4単位を限度に、医療保険の「訪問リハ指導管理料」が算定できます。
介護保険ご利用の方で、一時的な増悪でADL低下(バーセルインデックス・FIM低下を認めた)場合、自分の病院で往診すれば、14日に限り、毎日4単位(80分/日)ならば在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料の算定が可能となります。
交通費の負担は?
患者負担になります。
僕の事業所の場合は、1訪問あたり片道だけ50円/kmほど交通費を徴収しています。
在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料に必要な医師の往診頻度は?
1カ月に1回の自分の病院での往診が必要です
医師の診察があった日から1カ月以内に行われた場合在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料の算定が可能となります。
記録の方法は?
〇医師:理学療法士等に対して行った指示内容の要点を診療録に記録する
※介護保険被保険者の方で、急性増悪等によりバーセル指数またはFIMが5点以上悪化し、一時的に頻回の訪問リハを行う場合、医師は診療録に、頻回な訪問リハビリが必要な理由及びその必要な期間を記載する
〇理学療法士等:医師の指示に基づき、理学療法士等が行った指導の内容の要点及び指導に要した時間を記録する
つまり、医師の指示書は、理学療法士等の指導内容と指示内容に整合性がある必要があります。記録は、往診で使用しているカルテの診療録に、時間とその内容を明記する必要があります。
特別養護老人ホーム等に入所している方や、指定短期入所生活介護事業所を利用している方の在宅患者訪問リハビリテーション管理指導料は算定可能か?
医療保険の「訪問リハ指導管理料」も介護保険の「訪問リハビリテーション費」のいずれも算定できません。これは、下記:特別養護老人ホーム等における療養の給付(医療)の取扱いについてという厚労省にも明記してあります。
立ち上げで必要な書類は
法規上は
1)往診後の医師の指示要点が診療録に記載してある事
2)月1回の往診記録
2)理学療法士等の記録(時間、場所、内容)
で可能かと思われます。
記載にはありませんが、殆どの訪問リハビリテーション事業所では計画書を作成している様です。
参考までに僕の事業所では
1)契約書・重要事項説明書
2)訪問リハビリテーション指示書(初回のみ)
3)医師診療録に訪問リハビリ指示の要点を記載
4)月1回の医師往診記録
5)訪問リハビリテーション計画書(6ヶ月に1回)
6)理学療法士等の記録(診療録に時間、場所、内容)
まとめ
今回は、在宅患者訪問リハビリテーション管理指導料に関してまとめてみました。初めて算定する場合、往診医師や看護師との調整が必要になります。また、事務スタッフも初めての算定となると、現場が混乱する場合があります。(僕は往診との調整でやや混乱を招きました)
算定にあたり、予め各スタッフと打ち合わせなどし、スムーズな算定ができる様に調整をするといいでしょう。