時々刻々作業療法しましょう

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スキー靴の着用  片麻痺編

前回は、スキーのリハビリについて記事を書いた。

経験的に、スキー靴で一番時間が掛かるのは履く動作ではないだろうか。それに比べ脱ぐ動作は比較的スムーズでできる方が多い。スキー靴を履く事が出来にくい要因として以下の要因が考えられる。

スキー靴が履きにくい要因として

1)構造の問題

靴自体がハイカット・シェルブーツが硬い

2)状態の問題

つま先部分が先に中敷きに届く為、履く際に中敷きがずれてしまう

3)動作の問題

足関節底屈位での踵の踏み込みが困難

 

特に片麻痺の方では、3)の動作面で困難な場合が多く、踵の滑りを良くする対策が求められる。

今回は、長靴やスキー靴を履く際に活躍したシューターの話(商品名)

 

SHOOTER (シューター)

SHOOTER (シューター)

 

 

僕はこの商品を真似て自作。

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家具の滑りを良くするシートを、クリアシートに貼り付けて、アクアプラスで固定部分の取手を作成した。

 

片手でセッティングできる

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装着した後は、普通に履くだけ

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装着後は、後方の取手を掴み、上に引き抜く事で取り外す。

 

踵の摩擦が軽減する事で、過剰に努力する事なくスキー靴の着用が可能だった。

自助具作成以外に、ビニール袋を使用して踵の滑りを良くする方法もある。しかし、ビニール袋の耐久性の問題や、履いた後取り外す動作が困難な場合が多い。スキーヤーによっては、ビニール袋を抜かないままで滑走をする方もいる様だが、インナーブーツ内で足を滑らせる原因となる為、あまりお勧めできない。

踵を滑りやすくする商品を調べた結果、SHOOTER (シューター)を使用する方法が一番楽に装着可能であった。価格もAmazonで2000円ほどで購入可能なので検討してみるのもいいだろう。

スキーの再開を希望される方は、僕も数名しか経験がなく一概に言えないところがある。しかし、片麻痺での再開を希望される方は、ある程度麻痺レベルが良い方が多いため、スキー靴を履きやすくするポイントを抑える事で対策可能である事も多いと思われる。

 

スキー靴の装着を楽に行うポイントは

①シェルブーツ(外側のプラスチック)を温め、柔らかくする事

②シューターなどで踵の滑りを良くする事

(ビニール袋なども代用している事もある)

③インナーブーツを抜いて、先に履いてからシェルーブーツを履く

など方法が考えられる。担当の方の身体状態を考慮し、適切な方法を検討するといいだろう。また、一部のノウハウはロングブーツや長靴着用などにも応用できる部分である為、担当の利用者様がスキー靴・長靴が入らない場合など一度お試しあれ。

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