時々刻々作業療法しましょう

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腎臓が悪くなると起こりやすい症状

慢性腎臓病は、無症状のうちに進行し、心筋梗塞などの心血管障害の合併の頻度が高く、廃用症候群やフレイルを来しやすい疾患である。一度失われると、回復する事が難しく、慢性腎不全まで進行し、透析や腎移植を必要とする。

腎機能低下は徐々に起こり、無症状と言っても、身体症状全く伴わないわけではない。

今回は、腎臓機能が悪くなっている目安となる症状を下記を参照にまとめてみた。

 

編集にあたり下記サイトを参考にしました

腎臓がわるくなったときの症状:一般の方へ|一般社団法人 日本腎臓学会|Japanese Society of Nephrolog

https://www.jsn.or.jp/global/general/_3225.php

今回の目次

1.浮腫(むくみ)

体幹から水分が十分排出されない事で起こる状態。通常2~3㎏以上の体重増加を伴う。尿から大量のたんぱくが漏れるために、血中のアルブミン低下に伴うネフローゼ症候群や慢性腎不全などで見られる。腎臓が原因の浮腫みは、通常左右対称。体重5kg以上の増加は全身性の浮腫みを意味しており、肺に水がたまる事もある。

心臓や甲状腺機能低下、足の静脈溜、リンパの流れ、がんなど様々な原因で浮腫む事がある為、原因を突き止め対応する事が必要であろう。

 

2.尿量

一般的に腎不全などでは、尿量が低下しやすい。腎臓は血中の老廃物をろ過し、尿にして体の外に排出する役割を担っている。通常の尿量は1.0L~1.5L/日です。1日の尿量が400mL以下を乏尿、100mL以下無尿という。逆に2500mL以上を多尿。腎臓の機能低下が起こると初期では尿濃縮力が低下し多尿となり、夜間頻尿となる事が多い。さらに機能低下が進むと、尿量が低下する。

脱水や心不全により腎血流が低下、尿管や膀胱に結石が起こり易い為、尿量低下を伴う。尿量の異常が続く場合は、腎臓の障害を疑う。

 

3.夜間尿

「腎機能が低下すると尿量が減る」「透明な尿の方が良い」と思われがちだが、腎臓は老廃物を排出し、必要な水分は体内に戻す機能を担っている(尿濃縮能)この機能が低下する事で、尿量は増し、尿が透明になる事もある。腎臓は血液中のナトリウム濃度を調節する機能も担っている。日中ナトリウム排泄が間に合わない為、夜間血圧を高くし、排泄しようとする事も夜間尿の要因である。

利尿剤を使用して、日中のナトリウムを排泄する事で夜間多尿が改善する例もある。

 

4.頻尿

日中8~10回以上、夜間2回以上トイレに起きる状態を頻尿という。頻尿とは、尿量の増加(1日2L以上)の多尿と尿量が増えず回数が増えるパターンがある。高齢者の場合、頻尿の原因として、前立せん肥大が多い。膀胱炎などで過活動膀胱になる場合もある為、腎臓以外の可能性も視野に入れてみる事が重要だろう。

 

5.だるさ

末期の腎不全で観察される症状の一つ。尿毒症物質が蓄積した事で起こる症状の一つの場合もあるが、電解質異常による心不全の悪化などでだるさが生じる場合が多い。

腎不全が進んだだるさが出現する場合、透析など腎代替療法を検討する時期である事が多い。

心不全のリハビリは下記を参照

tokidokiot.hatenadiary.com

 

6.貧血

腎臓は様々なホルモン分泌に関与している。その一つに赤血球を作る働くを促進するエリスロポエチンというホルモンがある。腎臓の機能が低下すると、エリスロポエチンの分泌が低下し、赤血球生成量が減少する為、腎性貧血が起こり易い。

参考までに

tokidokiot.hatenadiary.com

 7.かゆみ

腎機能低下によってかゆみが伴う事は有名であろう。

血液や皮膚に溜まった老廃物は、皮膚の中のかゆみ受容体であるミュー・ペプチド受容体を刺激し、その刺激が脳に伝わりかゆみを訴えると言われている。

また、透析患者で多くみられる皮膚の乾燥が伴う為かゆみを伴う。マメに風呂に入る事や皮膚の湿気を与える塗り薬を塗るなど対策が必要であろう。

 

 参考文献

腎臓がわるくなったときの症状:一般の方へ|一般社団法人 日本腎臓学会|Japanese Society of Nephrolog

https://www.jsn.or.jp/global/general/_3225.php

 

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