時々刻々作業療法しましょう

時々刻々 作業療法しましょう

現場で使えるをもっとうに、作業療法士の引き出しを、時々書いています

訪問リハビリテーション わかりやすい血液データー ②(腎機能)

前回の血液データー①では血液一般検査(末梢血検査)、血液生化学検査(肝機能、代謝)についてまとめた。今回は、腎機能の血液データーに関してまとめてみた。

腎機能の数値を見るポイント

f:id:ctorusholly:20190331235416p:plain

参考:https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1460 

クレアチニン(Cr)

基準値

男性で0.6~1.1mg/dl

女性で0.4~0.7mg/d

クレアチニンとは、筋肉内にあるクレアチンアミノ酸の一種)が筋肉を動かすエネルギーとして使われた後にできる老廃物のひとつ。
クレアチニンは食事の影響を受けないで、常に一定量生産され、ほとんど体内に再吸収されることなく、排出される。そのため腎機能が障害されると、尿に排出される量が減少して、体内に残る事になる。結果として血液検査上クレアチニン値が上昇を示す。

 

eGFR(推算糸球体ろ過量)

筋肉で作られる老廃物であるクレアチニン値は、個人の筋肉量に左右される特徴があります。そのため、男女差や世代差が出やすい特徴がある。つまり、男性や若年者では高値、女性や高齢者では低値になる傾向がある事になる。また、クレアチニン値の低下は、腎機能がある程度低下しないと上昇しない特徴がある為、軽症や経過を見る上ではあまり適さない事がある。その為、 クレアチニン値と年齢、性別の三つをかけあわせたeGFR(推算糸球体ろ過量)が幅広く用いられる。
GFRはGlomerular Filtration Rate(糸球体ろ過量)の略称であり、腎臓の中にある糸球体がどれくらいの老廃物をろ過することができるかを示す値といわれている。「ml/分」という単位で示され、GFRが75 ml/分であれば、腎機能が健康時の75%程度と考えることができる。

 

BUN(血中尿素窒素)

蛋白質が分解されるとアンモニアが作られる。アンモニアは有害な為、肝臓で尿素に変えられ、最終的に腎臓を通して尿として排泄される。腎臓の機能が低下すると、尿素が濾過しきれずに尿素が血中に残ってしまう。つまり、BUNは尿素の量から腎臓の機能を見る事が出来る。

 増加:腎臓の機能低下、乏尿

減少尿素を生成する肝機能の低下、低蛋白状態

 

尿検査

健康診断などで一般的に行われる検査で、尿中のたんぱく質や赤血球を調べる事で、腎臓の異常を見る。異常がある場合は尿たんぱくあるいは潜血プラス(+)、異常がなければマイナス(-)となる。
通常、血液中のたんぱく質は腎臓の糸球体と呼ばれる部分で、ある程度尿の中にこし出され(ろ過され)ますが、尿細管という部位で再度吸収されて血液中に戻る。そのため、尿中に排泄される量はごくわずかで検査ではマイナスが正常値と考える。

 

まとめ

以上簡単ではあるが、腎機能障害を考える際に参考にする血液データーや尿検査に関してまとめた。訪問リハでは腎機能障害を抱える方も多く、腎機能が今以上低下いないかどうかの見極めが必要である。これら数値と併せて、腎機能低下によって起こる症状を観察し統合的に評価する事が必要であろう。

併せて読みたい

 

tokidokiot.hatenadiary.com

tokidokiot.hatenadiary.com

tokidokiot.hatenadiary.com